【プロの専門家 vs 統計学】自信を持った発言は信じてはいけない!?
広告やPRを相談するとき、なぜ実績が多い業者が評価されるのか。
広告を依頼するとき、「歴史が長く」「案件数を多くこなしている」業者は評価すべきか?
答えは「評価すべき」です。
むしろ〇〇を学んて知見が豊富、抜群の分析力・・・というワードよりも「実績の数」要はサンプル数の数が多い企業に依頼したほうが、より効果を生む可能性が高いと考えられます。
なぜそんなことが言えるのか?という方に
世界から多くの職業を切り捨ててしまいかねない、衝撃の実験と結果をご紹介いたします。
20世紀を代表する心理学者ポール・ミールが行った「臨床的予測 対 統計的予測ー証拠の理論分析と評価」という論文に記載されていた実験データです。
(ちなみに冒頭でも説明した通り、多くの職業がムダと言いかねない結果であり、現在でも論争が続いています)
その実験内容と結果はこうなっています。
・専門のカウンセラーが大学新入生と面談した上で1年後の成績を予測する。
・カウンセラーは新入生と45分も面談し、高校時代の成績を確認、4ページにもわたる自己申告書も記載させた。
・同様に14人のカウンセラーが実施。
・対する「統計」は高校時代の成績と適正テストから分析。
その結果・・・
・カウンセラー14名の内、11名は統計を下回った。
これだけのプロがコスト(時間と労力)をかけても統計の方が効果的で、これ意外にも「再犯の予測」「パイロット訓練」etc…様々なジャンルでも同様の結果が確認されました。
この論文が発表されてから50年もたったが、この比較研究はつづけられ、
・60%でアルゴリズムを信じる方が精度が高い
・残り40%は引き分け
という結果である。
「人間の予測が勝った」という説得力のある結果は「ただの1度も」なかったようです。
もう一つポール・ミールが関わった件をご紹介いたします。
ワインの値上がりは幅が大きく、投資対象としても興味深く見られていることから、 海外では「ワインの値段を予想するプロ」が大勢います。
今までの歴史を知り、現地の情報を集め正しいと確信した情報を投資家に提供しているのですが、ポール・ミールはいともあっさり「統計」でプロを負かしてしまいました。
統計で使用したのは
・成長期である夏の平均気温
・収穫期の降雨量
・前年冬の降雨量
だけです。
これだけで、数年先どころか数十年先の価格も正確に予測でき、このポールが編み出した統計と価格の相関関係は90%という驚異的な数字をたたきだしました。
この結果を持ってしても「ワインの味も知らない奴の言うことは信じられない」「映画を見ずに評価しているようなものだ」などと反対意見もでているようですが、結果は明白です。
この一連の結果から統計データを基に人が最終ジャッジを下すのではなく、最終ジャッジは「統計データとすべき」と考える企業も多く存在しています。
とはいえ、この実験の穴として「特殊な要因」は見抜けません。
新入生が1年間で事故にあったら・・・
ブドウが取れなくなるような災害に見舞われたら・・・
だからこそ経験や知識に過度な自信をもたず、アルゴリズムを理解して判断するということが適正で、最も大事かもしれません。
あなたも何か業務を相談するとき、判断枠としてアルゴリズムが形成できる「実績の数」でご相談してみてはいかがでしょうか?
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by 岩永 亮平