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元祖?!手書き広告「文藝春秋」
最近では東京海上日動や新しい地図など、手書きのようなデザインをされた広告を多く見かけます。
そんな今回は、1928年(昭和3年)9月20日の文藝春秋の広告を紹介します。
パッと見た感じ、「えっ?!」って思わせるデザイン。
この広告が世の中に出せるなんて。
キャッチコピーは「十月号が出た!矢張り安くて面白いよ」。へたくそな筆だからこそ、余計に目につきます。
相合傘などの定番の落書きが描かれています。
中を見ると、落書きっぽく、酔ったような語り口で「近代『剣』座談会 出鱈目の大衆文芸の剣客より本当の剣客の話が面白いぞ」と書かれています。
この広告は、活字を一切使用せずすべていたずら書きのような崩れた文字で構成されたところに、人間臭さを感じます。文藝春秋は大正12年1月号の創刊号から人気を呼び、たちまち10万部の雑誌に発展にしてきました。
もしかしたら、この頃から文藝春秋のブランディングは始まっていたかもしれません。
1928年は蓄音機が普及し、大相撲のラジオ放送実況やラジオ体操が開始された年です。
参考図書:宣伝会議 岡田芳郎 「日本の歴史的広告 クリエイティブ100選」
by:浅見 健太郎