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【分母の無視】人は数字の見せ方一つで行動が変わってしまう!?

2020.06.15
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今回は行動経済学・・・ではなく、心理学の面から広告の手法を考えていきたいと思います。

まず本題の前に。
人は利益を得ることより損失を極端に嫌います。
損失回避といって、人間だけでなく猿でも同じ感情を抱く遺伝子レベルでの感覚なので避けようがない、全く迷惑な脳のシステムです。

これを最大限に利用しているのが保険業界なのですが・・・
例えばその保険を例にすると、
「保険に入会するとこんなメリットが」より
「保険をかけておかないと、こんな時は大変」と見せる方が圧倒的に人は吸い寄せられます。
まずはこの性質を理解した上で、今回は「数字を見せるときのテクニック」をご紹介いたします。

心理学の研究でこのような実験が行われました。
A.壺に10個のおはじきがはいっています。内、1個、あたりが混ざっています。
B.壺に100個のおはじきが入っています。内、8個、あたりが混ざっています。
これはどちらが魅力的な提案に感じますか?

合理的に考えればAを選ぶことが当然で、おそらくこれを読んでいる皆様もAを選んだかと思います。
が、ちょっとモヤっとしたものを感じませんか?

実際にこの2択でどちらを選ぶか実験を行ったとき、30~40%はBを選んだそうです。
これが「分母の無視」です。
よくよく考えると馬鹿げていると感じますが、よくよく考えていない「普段」はこういった錯覚に陥っていることは多々あるんです。

ただ「分母の無視」にも条件があるのでご説明いたします。
例えば、コロナウイルスのワクチンが開発されたとします。
副作用の危険性があり「永久麻痺の可能性が0.001%ある」と言われても、リスクは低いと感じるかと思います。
これを「10万人に一人は永久麻痺になる恐れがある」と書かれると、ちょっと嫌なイメージがよぎりませんか?
数字に関する表現の効果は絶大で、言い回し一つでイメージが大きく変わってしまいます。

もっと極端な実験をご紹介すると
「1万人の内、1,248人が死亡するリスクのある病気」
「100人に24人が死亡するリスクのある病気」
と言われたとき、驚くべきことに直感では前者の方が危険と判断されていたそうです。
リスクを半分にしても分母をそろえず、分子の数を大きくしただけで、人はより大きな関心を示してしまいます。
改めてSNSや動画など数秒しか広告が目に留まらない現代ではこの差は顕著に表れて当然です。

「言い方を変える・単位を変える」これだけで同じものが全く違う効果のサービスや商品に見えることがあるということです。
前回のコラムでもお伝えいたしましたが、なかなかサービスや製品が広がらないのは、内容に問題があるのではなく、PRや広告の見せ方に問題があることがほとんどです。

ムダなコスト(金額や時間)を費やす前に一度見直してみてはいかがでしょうか?


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by 岩永 亮平

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