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アンニュイな世界の映像化 テレビCM DHC 「大正浪漫編」

2020.08.12
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1998年(平成10年)い放送された化粧品・健康食品の製造・販売を行うDHCのテレビCM「大正浪漫編」は、竹久夢二さんの絵「黒船屋」を映像化したノスタルジックっで艶美な広告。

竹久夢二 「黒船屋」

同社のキャラクターとして以前から起用されている美輪明宏が「黒船屋」女性に扮する。

このCMの面白さは、人口に膾炙した日本の絵画をモチーフに動く絵に見せたところ。美輪さんがもつ雰囲気、演技力、メイク、衣装が見事に竹久夢二さんの世界感を再現する。

「黒船屋」は近代絵画ではよく知られている作品。仮に、作者名・作品名を知らなくても「どこかで見たことが…」と記憶を持つ人は多いかもしれない。そんな文化に対するイメージをテレビCMに表現したことは、短い秒数で勝負するテレビCMで効果を発揮する。

このCMは元の絵画を違った意味や見方を付与するパロディーではい。竹久夢二さんの画の持つ感情豊かなムードを援用しつつ、自社の商品イメージ醸成を行っている。黒猫を膝に抱きボーっとして、けだるい女性の姿は「元気ではつらつな健康的な」女性が笑いかける他の化粧品テレビCMとは異質の、アンニュイに満ちたゆるやかな時間が流れている。

世紀末を迎えたこの年は、「日本列島総不況」「老人力」「冷めたピザ」などが流行語に。また半額ハンバーガーや100円ショップなど低価格指向も強まった。


参考図書:宣伝会議 岡田芳郎 「日本の歴史的広告 クリエイティブ100選

by:浅見 健太郎

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