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六社連合「只野凡児君の商品めぐり」広告

2020.08.28
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厳しい世相でのユーモラスな漫画広告

1933(昭和8)年9月21日の六社連合広告は、漫画家・麻生豊が描く人気キャラクター只野凡児君の人生勉強の6つの物語から形成されている。

「ブラジル珈琲」は缶詰、シロップ、珈琲沸器など5つの製本をお手玉のように扱いながら売り言葉を発して凡児君が大いにはしゃいでいる。
「文研薬用胚芽」は、カンカン帽をかぶった凡児君が先輩に健康の秘訣を書いている。
「外用常備薬一二三」は女性の背中に薬を塗ろうとして凡児君が照れて真っ赤な顔で純情ぶりを発揮する。
「ビクターレコード」は立派な応接間で家族そろってレコードを聴いている。凡児君がかしこまってビクターレコードをPRしている。
「下田式純肝油」は両家の奥様と凡児君が子供の相手をしつつ肝臓油問答している。
「明光社のポケット鼻病治療器」は凡児君と友達がお互いに鼻病治療器を自分に使わせろといさかいをしている。鼻病が治ると、頭脳がすっきりしていることをPRしている。

人気漫画家を起用する広告は、昭和初期の流行であった。吹き出しの中に広告メッセージが巧みに盛り込まれ、読者は漫画を楽しむように広告を読む。1933年、日本は満州事変をめぐる避難をあびて国連を脱退し、国際的に孤立をしていた。そんな時に、この広告は国民の精神のバランスをとるかのようにユーモラスに商品を紹介しています。

参考図書:宣伝会議 岡田芳郎 「日本の歴史的広告 クリエイティブ100選

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