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「しいたけ占い」はなぜ気分が上がるのか

2020.07.29
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今から約15年前、細木数子さんがメインMCをつとめる「ズバリ言うわよ!」というテレビ番組がありました。番組内で細木さんは「バカ野郎」「地獄に落ちるわよ」などの数々の毒舌を世に放ってきました。この番組はすごい人気で、当時私の両親も見ていたのを思い出します。この時期「叱咤激励されたい」というニーズが一定程度あったかもしれません。

今回紹介するのは、今大きな注目を集めている「しいたけ占い」。ご存知の方も多くいらっしゃるかと思います。

https://voguegirl.jp/horoscope/shiitake/

一応説明させていただくと、「VOGUE JAPAN」で12星座の週刊占いを連載し、女性だけではなく男性からも幅広い人気を得ています。毎週月曜日に更新される「しいたけ占い」は、ほぼ毎回ソーシャル上でトレンドワード化しています。

「しいたけ占い」の特徴であり最大の強みは、その独特な言葉遣いにあると言われています。

僕の双子座の場合。

他の占いとは違い、自己肯定感を高めるツールになっているのではないでしょうか。今週も頑張ろう、といったように。

ただ「占いに一喜一憂するなんて」と信じない人からは信じがたい行動に見えてしまいます。これは「私は偏見を持たない」という主張自体にバイアス、「ナイーブ・バイアス」にかかっています。自分はちゃんと客観的に物事を見ているというバイアス。自分が客観的に見ているから、他人も自分と同じように認識できているはずと思うばかり、占いを信じてしまう人の考え方は不正解で歪んであると感じてしまうのです。

一方、占いを信じた人が行動を変えたことで、結果的に占いが当たってしまうことが考えられます。このように「予言が当たった」ように錯覚することを「自己充足的予言」と言います。仮に「占い」が非科学的であっとしても、占いによって気が楽になったり、自己肯定感が高まったりする「効能」があるのなら、そこまで批判する必要はないようにも思いますよね。

人間は「客観的に見れば他人より劣っている暮らし」であっても、「主観的に幸せ」という矛盾を受け入れられる、都合のいい生き物と考えることができます。

重要なのは、「客観」と「主観」のいずれに軸足を置くかではなく、「人間とは矛盾を内包する存在」と洞察することができます。しいたけ占いは、そうした「熱狂」を生み出しているサービスと言えるかもしれません。


参考図書:松本健太郎 「人は悪魔に熱狂する

by浅見 健太郎

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