企業が投資家に愛されるには
「企業の魅力度モデル」という言葉を聞いたことがありますか? 企業広報戦略研究所 が定めたブランディングモデルで、「人的魅力」「財務的魅力」「商品的魅力」の3つの側面から企業を鑑みたものです。
人間に例えると「イケメン」で「お金持ち」で「優しくて」・・・など多面的にその人をみてどう感じるかを調査するイメージです。
企業広報戦略研究所が2016年から毎年1万人の生活者や投資家にアンケート調査されています。毎年の動向を眺めるのが楽しくて、自分のところにもアンケート調査回ってこないかな?とワクワクしてしまいます。
3つの魅力について簡単にご説明すると以下のようになります。
●人的魅力: その企業を個性する個人や事業活動を通じて周囲に感じさせる法人としての魅力
●財務的魅力: 優れた財務パフォーマンスとそれらを支える仕組みや取り組みなど組織的な魅力
●商品的魅力: 企業が提供する商品やサービスの魅力
普段の生活では、つい身近で目にする「商品」や「サービス」の情報から、その先の企業イメージをもってしまうんじゃないの?と思われる方も多いのですが、実は4年連続企業に魅力を感じる要因は「人的魅力:ビジョンを掲げ牽引している」だったのです。
また面白いのが、投資家・非投資家間で差が大きかった項目です。投資家ですので、冷静に分析し「財務的魅力」を企業魅力度の1番にあげるのでは?と思ったのですが・・・
「イノベーションにこだわる経営をしている」(投資家37.2%/非投資家27.5%)
「社会の発展や、社会課題の解決に貢献している」(投資家40.7%/非投資家32.4%)
「良い企業理念・ビジョンにもとづいた経営をしている」(投資家38.8%/非投資家30.7%)
これらは全て「人的魅力」に関する項目となっており、
「財務的魅力」以上に「人的魅力」が重視されていることが明らかになりました。
またKPMGジャパンによると、東証1部上場企業のうち、統合報告書発行している企業の株価は東京株価指数(TOPIX)を上回るという調査結果も出ています。ESG(環境、社会、ガバナンス)、SDGs(Sustainable Development Goals)への取り組みなども、しっかりとみられているようです。
従来型の「コストリーダーシップ戦略でとにかく経済的価値を上げる」から「新しい価値をイノベーションで生み出し社会的価値を大きくする」という方向へジワジワとシフトしています。
これらのエシカル(倫理的)でサステナブル(持続可能な取り組み)が企業魅力度を向上させることは間違いなさそうです。
でも・・・COVID-19のパラダイムシフトで、社会的価値観の変化がおきるかもしれませんね。
by 塩野 恵麻