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「拡散・上司」×「保全・部下」 “無茶振り、丸投げ上司”に出会ってしまった!【あなたの知らないあなたの強み】(5)

2020.07.28
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前回、受容性の高い方の特徴をムッタのシーンともに紹介いたしました。今回から仕事現場を舞台に、FFS理論を使って上司×部下の関係を見ていきたいと思います。

最初に紹介するのは、「やり方は任せる、自由にやっていいよ」と言い出す上司。

こう言われてどうすればいいか分からず、戸惑ったり、不安に感じたことはありませんか?

心の中で「はい」と思った人は、簡易・著書の診断結果でも「保全性」が高い、となったのではないでしょうか。

「保全性」が高い人は、先の見えない状況に不安を感じるため、細かい指示を欲しがります。「自由にやっていい」という指示には、「雑な指示だ」とか「丸投げされた」と感じて、上司に不満や不信を抱く原因になることもあります。

一方、「自由にやっていいよ」という指示を出しがちなのは、「拡散性」の高い上司です。もちろん、部下に嫌がらせをするためにこのような指示を出すわけではありません。「拡散性」の高い上司は、文字通り「自由にやりたい」タイプなので、部下に対してもよかれと思ってそうゆう指示を出しています。それが結果的に「保全性」の高い部下に対してストレスを与えているのです。

個性が違えば、感じるストレスの要因も違います。こうしたトラブルを避けるために、「拡散・上司」×「保全・部下」からどのように学べばいいのかを考えていきましょう。

「拡散・上司」がまるっと投げてくるワケ

「拡散・上司」の指示が「保全・部下」に不安や不信を抱かせる理由は何でしょうか。それは、両者の学習スタイルの違いです。

「拡散性」の高い人の学習スタイルは、興味のあることに対して、準備をすることなく、まずやってみます。「うまくいった」「いかなかった」などの体験を繰り返しながら、「あっ、なるほど。こうゆうことか」と学びます。もし、手応えを見出せなかったら、「同じことをしたくない」ので、全く関連のない方法ヘと移っていきます。脈絡がなくても関係はありません。本人とって問題ではありません。「なんとなく興味がわいた」という理由だけで、別の体験を求めていく。それが「拡散性」の高い人の学び方です。「気分屋」「雑な奴」に見えることもあります。

事前に学習・体系化したい「保全性」

一方「保全性」の高い人は、準備しながら少しずつ体験を増やして成功パターンとする。そのパターンを磨き上げてブラッシュアップしていきます。「保全性」の高い人の中で、例えば辞書を使ってある単語を調べるとき、目的の単語の前後にある使用例や例文までしっかり読む方もいるのではないでしょうか。

このように、「拡散性」が高い人と「保全性」が高い人では、学習スタイルが全く違います。

話を「拡散・上司」×「保全・部下」に戻します。「拡散・上司」は、体験しながら学ぶのが当たり前のため、「自由にやっていいよ」といい、体験を促します。一つずつ体系立てて学びたい「保全・部下」には、それが階段を一気にジャンプさせられるわけですから、ストレスを感じるのです。

「拡散・上司」×「保全・部下」を宇宙兄弟のシーンを紹介します。
登場人物は2人。飛行機の操縦を教える教官デニール・ヤングと主人公のムッタです。デニールは教官でありながら、いつも自由な存在。同乗パイロットが「死ぬかと思った」と辟易するくらいアクロバット飛行をするため、周囲からの評価は最低ですが、本人は全く気にしていません。
ムッタは、デニールの訓練初日。いきなりブラックアウト(失神状態)を防ぐG
スーツを着せられます。そして、ムッタにいいます。

いきなり6.5Gのスピードでぶっ飛ばすデニール。思いっきり難易度を上げたところから始めて「これができれば一般的なレベルのことは簡単」と思わせる体験のさせ方です。

できることをひとつずつこなして体系化していくのがムッタは得意なので、相当キツかったはずです。

職場に置き換えると、「保全・部下」に対して「自由にやっていいよ」と指示するのもこれくらい乱暴な指示だと受け取れる可能性があるのです。
なので、「保全・部下」には安心を与えることが必要です。頼む作業に対して「何をするのか」「どれくらいかかるのか」を示す必要があります。本人に「もう大丈夫」と自信がつくまで徹底的に同じことを繰り返し体験させることがいいでしょう。

「拡散・上司」×「保全・部下」の組み合わせは、修羅場を乗り越える絶好のチャンスです。デニールの指導を受けたムッタのように、自分ではまずやらない無茶を「やらされる」からです。

ムッタの弟日々人もデニールの指導を受けています。
それをこう振り返っています。
「デニール化してからが楽しいんだ」
ここでいう「デニール化」とは、必死にくらいつくうちに非常識な状態にも慣れていき「デニール化」頃には、「保全性」の強みが発揮しています。

それは何かと言えば、飛行訓練終了後、その日のフライトを格納庫で飛行機に乗り、シミュレーションしながら振り返るのです。何度も繰り返りながら、できたことを確認していきます。その積み上げによって、少しずつ不安のない状態になり、余裕を取り戻すのです。

このムッタのエピソードには、「保全・部下」が「拡散・上司」を利用し、潰されずに成長するためのヒントがあります。「予習・復讐」、つまり「準備」と「繰り返し」が徹底の重要性です。「保全性」の高い人は体系化するのが得意です。そのスキルを活かし、上司の動きや仕事の展開をなど少し先の動きを予測し、先回りして準備しておくわけです。また、「拡散性」高い上司が発散しまくる無茶ぶりにも、上司すら気づいていない独自のルールを見つけ出し体系化し、対応できるよう準備することで知識と経験を猛スピードで積み上げていく。これこそ「保全・部下」が成長するまたとない方法です。

「拡散・上司」なりの優しさがある

デニールはなぜ、飛行パイロットになるわけでもないムッタに超難度の訓練を課すのか。そこにはデニール流の優しさがあります。デニールの口癖に「“心のノート”にメモっとけ」があります。それとは別に「“頭のノート”にメモっとけ」という台詞があります。「頭のノート」は「知識として記憶しておけ」くらいの意味でしょうし「心のノート」というときは、「言葉でなく、心にイメージとして留めておけ(記憶するな)」ということでしょう。

デニールにはもうひとつ、教官として秘めたる思いがあります。それは、訓練前に、訓練で殉職したパイロットたちの写真に敬礼をします。自分が教官をする以上、宇宙にいく前に死なせるわけにはいかない。だからこそ、操縦でパニック陥らない方法を「自ら会得させる」ために、早い段階で訓練に負荷をかけると、デニールは考えるのです。

「拡散・上司」が部下に大雑把な指示しかしないのも、同じ理由ではないでしょうか。細かく指示しないのは「自律を促す」という意味では効果的な教え方です。

デニールは情に厚い人だと思います。「自分を慕ってくれる奴」を気に入り、可愛がる傾向があります。限定的な相手に対してだけ情に厚い、とも言えます。

68歳のデニールは、ムッタを最後の弟子でした。そして最終フライトの日、弟子のムッタにこう言います。

禅の世界には、「不立文字、教外別伝(ふりゅうもんじ きょうげべつでん)」という言葉があります。かなり簡単に説明すると「言葉では教えられないことを、心から心へ伝えていく」ということです。

「拡散・上司」のことをよく知れば、これまで理解に苦しんだ上司の言動にも、上司なりの意図や優しさを感じられるでしょう。少なくとも、「保全性」が高い人とは、思考行動パターンが違うことに気づけば、上司の見方が変わるきっかけになるはずです。そして、自分が成長するための手がかりにも。

最後に、「拡散・上司」をもった「保全・部下」へのアドバイスです。上司からいきなり無茶振りされて、辟易することでしょう。しかしすこし冷静になると、自分にはない発想やアイデアを持っていて、楽しい・面白いと感じるところもあるはずです。ムッタが「デニール化」したように。まずは「拡散性」の高い上司の個性を理解し、うまく付き合っていきましょう。あなたのよき師匠になってくれるはずです。

By浅見 健太郎

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